■タイトル「かぐや姫」■内容空にまあるく輝く満月を、見上げるたびに思い出すのは、かぐや姫の美しくも悲しいお話です。 一千年以上も昔に作られ、日本最古の物語文学として、 今も語り継がれている「竹取物語」を、わかりやすくご紹介します。 >>>PDF版ダウンロードはこちら ■主な仕様語り:山崎和佳奈(青二プロダクション)制作・著作: 株式会社リブラ HAKONIWA PROJECT 録音: (株)アライヴ 脚本・イラスト: 塚田洋子 編集: 福留政彦 上映時間: 9分50秒 ご提供可能な形式: HAKONIWAシステム |
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「かぐや姫」 |
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1. 今となってはもうむか〜しのこと。ある山に、おじいさんとおばあさんが、住んでおりました。おじいさんは、竹取りの翁と呼ばれ、毎日山へ竹を切りに行っておりました。 |
2. ある日のこと。おじいさんは山の奥で、根元が光っている一本の竹を見つけたのです。おじいさんは不思議に思い、その竹を切ってみたところ、なんと中には小さな小さな女の子が入っているではありませんか。 |
3. 驚いたおじいさんは、女の子をそっと手のひらに乗せて、早速、家に連れ帰りました。おばあさんも大喜びです。ふたりは女の子を大事に大事に育てることにしました。 |
4. 女の子はすくすく育って、3ヶ月もすると美しい娘になりました。ある人が「かぐや姫」と呼ぶと、皆もそのように呼ぶようになりました。かぐや姫とは、月のように美しく輝く姫という意味です。 |
5. やがて、かぐや姫のうわさを聞きつけて、多くの人たちが、ひと目会いたい、結婚したいといって訪れるように
なりました。ところが、姫は誰にも会おうとはしません。 |
6. かぐや姫のうわさは、ついに帝(みかど)の耳にも入りました。帝は、姫をひと目見て、結婚してほしいと申し出ましたが、姫は帝の願いさえも、お断りしたのです。 |
7. やがて、夏が過ぎ、秋の十五夜近くになると、かぐや姫は、しくしくと泣くようになりました。あまりのことにおじいさんが、なぜ泣くのかと問いただしたところ、姫は、ようやくわけを話し始めたのです。 |
8.「私は、この世界のものではありません。あの月から来たのです。今度の十五夜には、月の都から迎えがまいりますので、帰らなければなりません。」これを聞いたおじいさんは驚いて、帝に相談しました。帝は、全兵力で姫をお守りしましょうと、約束しました。 |
9. いよいよ、十五夜の晩。急に、月が十も出たかと思うほど、あたりがぱあっとあかるくなりました。「迎え撃て!」帝の合図で、兵隊たちは弓に矢をつがえようとしましたが、月の光りに目がくらんで、動けなくなってしまいました。 |
10. その時、たくさんの天人が、雲に乗って下りて来ました。月からの迎えがやってきたのです。 |
11.「おじいさん、おばあさん。お別れするのは悲しいですが、今までのご恩は、決して忘れません…。」かぐや姫は、お別れに不死の薬を帝とおじいさんたちに渡しました。 |
12. そうして、かぐや姫は天人と一緒に雲に乗り、月の輝く高い空へと昇って行ってしまいました。残された三人は、悲しみをこらえてただ見送るばかりでした。 |
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