■タイトル「はくちょう座神話」■内容夏の夜空高く、天の川の中に輝く北十字、はくちょう座。 ■主な仕様ナレーション: 向殿あさみ(大沢事務所)制作・著作: 株式会社リブラ HAKONIWA PROJECT 脚本: 高畠規子 イラスト: 塚田洋子 編集: 福留政彦 タイトルCG: 藤井 昇 上映時間: 6分55秒 ご提供可能な形式: HAKONIWAシステム |
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「はくちょう座神話」 |
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1. エリダヌス川のほとりで、仲良く遊ぶフェートンとキグヌスという二人の少年がいました。フェートンは、兄のように体の弱いキグヌスを気遣い、二人はいつも一緒だったのです。 |
2. ふたりの宝物は川の中で見つけたきれいな二つの小石。黄色い小石はフェートンが、青い小石はキグヌスが、それぞれ肌身離さずお守りにしていました。 |
3. ある日のこと。いじめられていたキグヌスをかばったフェートンは、少年たちから「うそつき」といわれてしまいます。フェートンの父親は、太陽の神アポロンでしたが、それを信じない少年たちは、証拠を見せろ!とせまっていたのです。 |
4. あやまるキグヌスにフェートンは「君のせいじゃないよ。でも、馬鹿にされるのはもうたくさんだ!僕は、お父さんの所に行って何か証拠をもらってくる!」そして、必死で止めるキグヌスを振り切って、遠い遠い太陽の神殿へと、向かったのです。 |
5. それ以来毎朝、キグヌスは、東の地平線の果て、朝焼けに光り輝く太陽の神殿を眺めてはフェートンの無事を祈っていました。フェートンがたった一人であんな遠くを目指しているかと思うと、キグヌスの胸は張り裂けそうだったのです。 |
6. ようやく太陽の神殿にたどりついたフェートンは、父アポロンに訪ねてきたわけを話したところ、何でも望みの物を与えると約束されました。しかし、こともあろうにアポロンの乗る太陽の馬車を貸してほしいと、頼んだのです。 |
7. 太陽の馬車は、とても少年が乗りこなせるようなものではありませんが、約束は約束。アポロンは、仕方なく馬車を貸すことを承知したのでした。「あれは、フェートンだ!神様、どうか無事に西の果てにたどり着きますように」 |
8. しかし、キグヌスの必死の願いもむなしく、馬車が突然、めちゃくちゃな方向へ走り出しました。太陽の馬車に焼かれて、あちこちから火の手が上がりました。こうなっては、アポロンも放っておく訳にはいきません。 |
9.「許せ!むすこよ!」ピシッ!アポロンの投げ放った雷で、フェートンは一筋の光となって、エリダヌス川に落ちていきました。 |
10.「フェートン!フェートン!」キグヌスは、川に入って必死にフェートンを捜しました。その手に、あの青い小石を握ったまま、もぐっては顔を上げ、辺りを見回し、またもぐり…。 |
11. いつしか、美しい白鳥に姿を変え、それでも、捜し続けるキグヌス。そして、やっとの事で見つけたのは、水の中にきらめく黄色い小石だけでした。 |
12. キグヌスは、友情の証の小石をくわえて大空に舞い上がり、はくちょうの星座となりました。くちばしには二つの小石が、二人の心を表すように、永遠に美しく輝いているのです。
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